ポロロンデザイン事務所
いい意味でのサプライズ、できが想定以上に良かった。

1回目のお仕事が、継続依頼のきっかけだった。

○たくさんのデザイナーからどのようにしてお選びになっているのでしょうか?

私は「万能なデザイナーさんは誰一人いない」と思っていて、案件に合わせて筆を持ち変えるような、パレットから色を選ぶような感覚でデザイナーさんを選んでいます。デザイナーさんはたくさんいた方が表現力も上がるよねということで、多くのデザイナーさんとは知り合いになっておきたいとは常日頃思っています。工藤編集長(INTERNET Watchグループ編集長)もそういうことを知っていたので「デザイナーさんいるんだけど」とポロロンデザイン事務所さんを紹介してくれました。

他に売り込みにくる方もいますが、私の方針としてはデザイナーさん、ライターさん、カメラマンさんなどは必ず面談をして、お願いしてみても大丈夫かなと思ったら、1回目はできるだけ自分の仕事でお願いしています。その後継続してお願いするかどうかは、その1回目にかかっています。実は1回目に仕事をお願いした時点が二次面接の意味もあって、この人ならと思う人には継続してお願いしています。

まず、基本的なことができるかどうか。つまり、打合せの時間に遅れてきたり、〆切を守らないだとかそういう基本的なところは人間として必ず見ますし、仕事の進め方とかがうまくできなければだめですね。私は編集者なので、デザインとはなんぞやと言うことは逐一勉強していますし、研究書やギャラリーを見たりもするのでね、デザインもちゃんと見ています。

「実はでき上がったものが意外だったんですよ。」いい意味のサプライズ。

○ポロロンデザイン事務所が、1回目にいただいた仕事から次に繋がった点はどういう所だったんですか。

まず、仕事の進め方としては全く問題ないと言うこと。そして、できが想定以上に良かったということ。

実は、ポロロンデザイン事務所さんのできが意外だったんですよ。なんかものすごいかっこいいのが上がってきて、「あーこういうのができるんだ」と。面談もして過去の制作実績や名刺とか見せてもらってましたけど、そこに無かったやつなんですよ。「お、これはいいなぁ」と思ってね。

だいたいデザイナーさんはみんな過去の制作実績の中で収まるものなんですね。みなさん分かりやすくて、仕事の幅っていうのを制作実績の資料の中に入れてくるので、あんまりその中から外れるとかそれを越える人はいないんですよ。でも、ポロロンデザイン事務所さんはそれを大幅に超えて「なんだ、ぜんぜんちがうな!」というところが良かったですね。いい意味でそういうサプライズは続けてほしいです。

それとやっぱりデザイナーさんは日々研究しているじゃないですか。いろいろ研究したり見たり、表現方法を身につけていってデザイナーさんってできてくる物だと思うので、何年やっても同じ作風の人もいると、そういう人は「もういいや」ってなっちゃいますよね。5年くらいやっているのにあまり変わらないと、徐々にさよならしていっちゃいますよね。残念ながら、それはうちが悪いんじゃなくて、うちも成長していっているので、仕事ぶりも仕事のレベルもずっと同じデザイナーさんだと「あれ?」みたいなことになっちゃいますね。ポロロンデザイン事務所さんは引き出し多いですし大丈夫ですよ。

くりかえし仕事が来ると言うことが一番ほめられた状態。

○今タイアップ案件で頂いているM社は、以前も担当させて頂いたのですが、気に入っていただけたのでしょうか?

今、M社ページ3連発突っ込んでますしね。営業からも「あのデザイナーさんで」と要望が出るときがあるんですよ。

うちの仕事もそうなんですが、同じところからくりかえし仕事が来ると言うことが一番ほめられた状態なんです。「前の仕事が良かったからインプレスに広告を出そう」ということは、私の部署が評価されたんだなってことですよね。外注の方も同じだと思うけど、くりかえし仕事が来るというのはうれしいことですよね。

ロゴや媒体全体のトータルデザインが出来る人は少ない。

○クラウドWatchなど貴社の媒体デザインまでやらせていただいたのでとても責任感のある貴重な経験でした。

ロゴや媒体のデザインを任せられる人は、私が今までお願いしてきたデザイナーさんの中では3人しかいないんですよ。ポロロンデザイン事務所さんはそのうちの一人だと言うことですね。

ロゴや媒体全体のトータルデザインって言うのは、ものすごいムズカシイものなんですよ。長年編集者をやってきているので分かるんですけど、なかなかいないですよ。デザイナーを鍛えてそういうところに成長してくれるかというと、それは無理です。そういうものを持った人でないとだめなんで、そういう人に巡り会わないといけないんですよ。

確率論じゃないんですけどね、だいたいここ10年でデザイナー50人以上と関わってその中で3人ですかね。男性2人で女性はポロロンデザイン事務所さんだけですね。

部下がデザインを誰に依頼するかは任せているんです。私からこの人を使えと言うことはないですね。混雑時期に私がポロロンデザイン事務所さんに発注するんだからというときは、力関係で部下には他の人を使うようにって言います。

やっぱりうまいデザイナーさんはずっとおさえられてて、「山口さんいつ空くんですか。」っていわれて、「来月。」とか言ってて。その人たちがなんだかんだ回ってて、それでも回らないときに他の人に頼む感じですね。

デザイナーはオペレーターではない。よりレベルアップするために

○依頼するときは、ある程度ご自分の中でイメージを持って依頼しているのでしょうか?

以前は、自分の思い通りにやってもらうのが好きだったんですよ。頭の中にデザインが実は固まってて、それを忠実に形にしてくれる人が良かったんです。自分は編集者でディレクターなので、忠実にやってくれるオペレーターを望んでたんでしょうね。けど、それじゃダメだと気づいちゃったんですよね。

オペレーターとして使っていると、自分の思い通りのものしかできてこない。自分の中で100点かどうかとか思っているだけだと自己満足になってしまうので、自分の想定を越えるものはそれではできないんです。想定を越えるものを発注したいと思うようになり、デザイナーはオペレーターとして使うもんじゃないと思ったんです。

実はこれ、ギャンブル的で「えー…」みたいなのが時々上がってくることもあるし、けどオペレーターとして使っていたときは自分で決めるから100点だけど、デザイナーに任せるようにしてからは、120点とか150点とか想定を越えるものも上がってくるようになったんです。まぁ振れ幅は大きいですけど、高いレベルのものを作るとしたら、そのリスクを負ってでも120点、150点を目指すべく動く方が自分の成長もするし、「今回の仕事は、前よりいいね」とクライアントや代理店や担当営業から言ってもらえたりするとうれしいですし、そういうところでどんどん全体でステップアップできる仕組みを作っていきたいなと思いますね。

ブレない迷わない仕事をすること

cloud watch
○インプレス様は、できあがってきたデザインに対してほとんど直しがないなぁと思うのですが、どうしてですか?

私はこの仕事10年くらいやってますけど、うちの部署ではデザインをまっさらから作り直したことはないですね。仕事のやり方としても、自分も部下もそれは許さないんですよ。それを防止するにはどうしたらいいかは、自分も研究しますし、部下にも教えます。

まず、自分が編集者・ディレクターですから、お客さまが何を望んでいるか完璧に把握する努力をすべきですよね。お客さまによって変わりますが、本人の引き出しやツールの工夫によりますね。既存のものに沿ったことをやるのは嫌なんですね。「こんなデザインでどうですか?」と既存のものを出すこともありますが、そういうのは極力やりたくないんですよ。

分からないときはお客さまに正直に聞きます。「こんな風にしたいですけど、これでよろしいでしょうか」とか。初めにそういう合意形成しているからうまくいくんですね。それは、うちみたいな受け仕事の会社だと必ずすべきことだし、デザインだけじゃなくカメラも文章もそうですが、そうしないと成り立たないんですよね。なので、お客さまが望んでいることを十分に把握することは大前提です。

そこができていれば、それが土台なので、あとは揺らがないんです。そこが揺らいでしまったら、みんな不幸になるじゃないですか。クライアントも関わる人もみんなイライラしちゃうから、みんなハッピーになるために、どうしたらいいのかと言うことを常に考えて動いてます。

みんなが迷わないような、ブレない迷わない仕事をやれることがいい仕事ですね。

デザイナーには「ねらい」を伝える。

○デザイナーに依頼する際にブレないように伝えるコツは何でしょうか?

かつてデザイナーをオペレーターとして使っていたときは、フォントの指定や変形まで指定することもありましたが、今は「ねらい」だけですね。どこに行ってほしいのかという話ですね。北に行ってほしいと言えばそこにいってもらうとか。

 

○これからポロロンデザイン事務所に期待する点はございますか?

今満足できる仕事ができているので、このクオリティを落とさず、さらに高めるべくやってくれればなにもいうことはないです。

山口様ありがとうございました。
実は二次審査をクリアしていたことは初めて知りました。
今回のお話では、ポロロンデザイン事務所のご感想の他、依頼する方の立場での工夫もお話しして頂きました。外部とのやりとりがうまくいかない方、部下の進行管理に不安を抱いている方には参考になるのではないでしょうか?
依頼される立場としては、インプレス様のディレクションは、とても安心できて、助かっております。
2012年11月
【お客様情報】
株式会社インプレス様
http://www.watch.impress.co.jp/
【ポロロンデザイン事務所の担当部分】
サービスロゴ、サービスサイトデザイン、タイアップ広告デザイン・コーディング

制作事例の一部